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利回り法「前回合意時点」の意味(専門家向け)

 継続賃料評価を行う上で、少し気になる最高裁判例が出ました。

 

最高裁判例 平成18(受)192  「賃料減額確認請求本訴,同反訴事件 」

 賃料自動改定特約のある建物賃貸借契約の賃借人から賃料減額請求がされた場合において、当事者が現実に合意した直近の賃料を基にすることなく、上記特約によって増額された賃料を基にして、増額された日から当該請求の日までの間に限定して経済事情の変動等を考慮した原審の判断を違法として破棄・差し戻す判決

最高裁裁判例のURL

 

 バブル末期に締結された賃貸借契約には、予め3~5年毎に賃料を増額する特約(賃料自動増額特約)が付されていることが多いです。賃料の自動増減額の特約がある賃貸借契約において、継続賃料評価の利回り法の前回合意時点の判断については以下の2パターンが考えられます。

1.自動増減額された時点は前回賃料改定時点に含まない
2.自動増減額された時点も前回賃料改定時点に含む

 今回の最高裁判例は「直近合意賃料」と謳っていますが、1の立場を取ります。

 自動増減額特約による賃料改定時点を前回賃料改定時点、及び前回合意時点と捉えて利回り法を適用した鑑定評価でも以前は裁判で勝てたと思いますが、今後は否定されることでしょう。

 さて、今回の最高裁判例がでたことで、継続賃料評価で採用できる手法が限定されるようになると思います。利回り法とスライド法は前回合意時点が新しいことが適用の要件になります。平成3~4年頃が前回合意時点だと判断されたなら、利回り法やスライド法の適用は極めて困難に思えます。その場合、差額配分法しか手がないことになります。しかし、この差額配分法の本質は経済価値を示していないとの意見があり、評価上取り扱いが難しいもの。今後しばらくは継続賃料の諸問題が噴出しそうな予感です。

注:上記はあくまで一鑑定士としての意見です。

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