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かんぽの宿の鑑定評価

 かんぽの宿の譲渡問題では、珍しく鑑定士vs鑑定士の対決になりそうです。不動産鑑定はニッチは地味な業務です。内容が限定的かつ専門的なうえ、原則非公開であるため、ニュースになりにくく、直接対決なんてほとんどありません。

 最近のニュースでは「かんぽの宿」の譲渡問題がそうでしょう。このニュースは入札経緯の是非が問題とされていますが、その価格の基礎となったのがやはり不動産鑑定評価書です。

 安い安いと叩かれるかんぽの簿価&入札価格ですが、評価の前提によっては十分あり得る価格です。逆に言えば、評価の前提が正しいのかどうかまで検証しないと評価が正当かどうかはわかりません。ここで思うのは、評価の前提って詳細までつき詰めて考えたものかどうかということ。

 総務省が弁護士・会計士・鑑定士のチームを作り、この問題の検証をするそうです。かつて出された鑑定評価書を別の鑑定士がチェックするということです。チェックされることが少ない不動産鑑定でしたが、今は第三者チェックを十分に意識した評価書づくりが必要でしょうね。

 長文のため、折りたたんでおります。

 以前、郵政公社だったと思いますが、将来の民営化のために不動産鑑定士に資産評価を発注しました。これは郵便局の庁舎が主な評価対象でしたが、別途かんぽの宿もあったのかも知れません。業務仕様書を見たわけではないので、鑑定評価書か簡易評価書かはわかりませんが、いずれにせよ、民営化時の会社に引き継ぐための簿価の基礎として鑑定評価が行われました。

 ニュースで流れる建設費や個々の施設の入札額・簿価を見ていると、この郵政評価での前提条件がどうも曖昧だったように思えます。そのくらい、評価額がぶれています。原則として収益価格重視はわかるのですが、収益100%採用の案件と、積算価格も考慮している案件が有るように思えます。多数地点評価の場合に起こりがちな、一貫性のなさです。ただ、受注した鑑定評価の精度を問うわけではありません。逆に、発注者側の条件設定の精度が十分だったかが気になります。自分は郵政施設の評価に関わっておらず、鑑定評価に関する業務仕様書も見たことはありません。そのため、あくまで憶測の世界ですが、このニュースを見るたびに思うのが、「曖昧な条件の下で、はたして鑑定士は評価できたのだろうか」ということ。

 一般企業のように、任意に処分(リストラ)可能ならば、処分可能価格と収益価格を見比べて高い方を採用するのが原則だと思います。しかし、かんぽの宿は処分可能だったのでしょうか?

 雇用の継続も前提となったのだろうと想像しますが、非正規人員の削減は可能でしょうか?また、賃金の切り下げはできるのでしょうか?

 これら意外にも価格に影響する条件はいくつか思いつきます。その条件整理はできていたのでしょうか?このような大型で多数の物件評価の場合は、まず少数の鑑定士が評価条件の整理だけをおこなって、全国の鑑定士に発注するのが妥当だと思います。建築で言うマスター・アーキテクトシステムですね。または、指揮者のような役割を想像してもらえれば良いと思います。

 かんぽの宿譲渡問題を受けて、弁護士・会計士・鑑定士のチームが作られ、この問題についての専門家チェックを行うようですが、本来は業務発注前にやるべきことだと思います。今後は旧郵政公社側と総務省側で評価書上の諸問題を突き詰めていくことが大事でしょうね。別の専門家による第三者チェックは、鑑定評価書の精度と質の向上にもつながり、非常に良いことだと思っております。最近の鑑定業界は質が二の次の過度な競争にさらされているような状況なので、ここらでしっかりと質の向上を謳ってみる必要が有りそうです。

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